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第三次スパロボロワイアル-----ネタバレ名簿-----作品別ネタバレ名簿 7/7 スーパーロボット大戦OG ○タスク・シングウジ/○ギリアム・イェーガー/○ヴィレッタ・バディム/○ユウキ・ジェグナン/ ○ウォーダン・ユミル/○ウェンドロ/○アギーハ 1/1 スーパーロボット大戦F完結編 ○エリート兵 1/1 スーパーロボット大戦MX ○エルデ・ミッテ 1/1 第三次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ ○イルイ 2/2 スーパーロボット大戦Z ○ジ・エーデル・ベルナル/○レーベン・ゲネラール 1/1 スーパーロボット大戦D ○ウンブラ 1/1 スーパーロボット大戦W ○カズマ・アーディガン 2/2 スーパーロボット大戦K ○ミスト・レックス/○イスペイル 1/1 ゲッターロボG ○車弁慶 2/2 グレートマジンガー ○剣鉄也/○暗黒大将軍 1/1 鋼鉄神ジーグ ○草薙剣児 3/3 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY ○コウ・ウラキ/○アナベル・ガトー/○サウス・バニング 4/4 機動戦士ガンダムZZ ○ジュドー・アーシタ/○エルピー・プル/○プルツー/○ラカン・ダカラン 1/1 機動戦士ガンダムF91 ○シーブック・アノー 2/2 機動戦士クロスボーン・ガンダム ○トビア・アロナクス/○カラス 1/1 機動武闘伝Gガンダム ○ドモン・カッシュ 2/2 新機動戦記ガンダムW ○張五飛/○トレーズ・クシュリナーダ 1/1 機動新世紀ガンダムX ○ジャミル・ニート 2/2 機動戦士ガンダムSEED ○ディアッカ・エルスマン/○ラウ・ル・クルーゼ 1/1 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY ○カナード・パルス 2/2 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ○シン・アスカ/○レイ・ザ・バレル 1/1 無敵鋼人ダイターン3 ○破嵐万丈 2/2 戦闘メカ ザブングル ○ジロン・アモス/○ティンプ・シャローン 1/1 聖戦士ダンバイン ○ショウ・ザマ 1/1 重戦機エルガイム ○アマンダラ・カマンダラ 1/1 ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU ○ツワブキ・ダイヤ 2/2 機動戦艦ナデシコ ○ヤマダ・ジロウ/○イネス・フレサンジュ 1/1 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- ○ホシノ・ルリ 2/2 ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 ○衝撃のアルベルト/○静かなる中条 1/1 超重神グラヴィオン ○紅エイジ 6/6 蒼穹のファフナー ○真壁一騎/○皆城総士/○遠見真矢/○羽佐間翔子/○カノン・メンフィス/○春日井甲洋 1/1 超獣機神ダンクーガ ○藤原忍 2/2 創聖のアクエリオン ○アポロ/○シリウス・ド・アリシア 1/1 マシンロボ クロノスの大逆襲 ○ロム・ストール 1/1 勇者王ガオガイガーFINAL ○ルネ・カーディフ・獅子王 2/2 新世紀エヴァンゲリオン ○碇シンジ/○渚カヲル 4/4 宇宙の騎士テッカマンブレード ○Dボゥイ/○テッカマンレイピア/○テッカマンアックス/○テッカマンランス 1/1 フルメタル・パニック! ○テレサ・テスタロッサ 1/1 ガン×ソード ○ヴァン
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タフィレッタ ムーレイアルラシードの別名。
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「第2次スーパーロボット大戦α」の攻略・その他記録集です。 ネタバレ等については自重しておりませんのでご注意ください。 (画像:第2次スーパーロボット大戦α) <リンク集> 公式ページ:- Wikipedia:第2次スーパーロボット大戦α <作品概要> <◆基本情報> 関連ページ:スーパーロボット大戦 No No.29 発売日 (通常版・限定版)2003年3月27日(PlayStation2 the best版)2004年9月16日(プレミアムエディション版)2005年5月28日 ハード PS2 定価 (通常版)8,379円(限定版)10,479円(PlayStation2 the best版)3,990円(プレミアムエディション版)9,702円 開発 バンプレソフト 販売 バンプレスト 主題歌 OP:SKILL/JAM ProjectED:FOREVER EVER/JAM Project 時系列前後 (No.28)スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION(No.29)★第2次スーパーロボット大戦α(No.30)スーパーロボット大戦COMPACT3 αシリーズ (1-1)スーパーロボット大戦α(1-2)スーパーロボット大戦α for DC(2)スーパーロボット大戦α外伝(3)★第2次スーパーロボット大戦α(4)第3次スーパーロボット大戦α <◆バンプレストオリジナル/味方サイド> 主人公(4人)<男1>ゼンガー・ゾンボルト(声:小野健一):スーパー男主人公。 <男1>ククル(声:荒木香恵):スーパー男ライバル。グルンガスト参式→ダイゼンガー:主人公機 マガルガ:ライバル機 <男2>アラド・バランガ(声:鶏内一也):リアル男主人公。 <男2>ゼオラ・シュバイツァー(声:かかずゆみ):リアル男パートナー。ヒュッケバインMkⅢ→ビルトビルガー:主人公機 ビルトファルケン:パートナー機 <女1>クスハ・ミズハ(声:高橋美佳子):スーパー女主人公。 <女1>ブルックリン・ラックフィールド(声:杉田智和):スーパー女パートナー。龍人機→龍虎王&虎龍王:主人公&パートナー機 龍王機(大破状態)、虎王機(洗脳状態) <女2>アイビス・ダグラス(声:渡辺明乃):リアル女主人公。 <女2>ツグミ・タカクラ(声:長谷川知子):リアル女サブパイロット。 <女2>スレイ・プレスティ(声:長沢美樹):リアル女ライバル。アルテリオン:主人公機 ベガリオン:ライバル機 ハイペリオン:合体形態 その他ヴィレッタ・バディム(声:田中敦子):4主人公共通 レーツェル・ファインシュメッカー(声:稲田徹):4主人公共通ヒュッケバインMkⅢ(ヴィレッタ用):ヴィレッタ機 ヒュッケバインMkⅢトロンベ:レーツェル機 ソフィア・ネート:スーパー男限定で登場。 フィリオ・プレスティ:リアル女限定で登場。 イルイ:謎の少女。4主人公共通 <◆バンプレストオリジナル/敵サイド> 「クストース」『★イルイ・ガンエデン』(声:山内奈緒&MAYA):『★少女イルイの真の姿。ファースト・サイコドライバーの1人。』カナフ ケレン ザナヴ カナフ・アフ ケレン・アフ ザナヴ・アフ ガンエデン<最終ボス機> <◆参戦作品> 初出年代 作品名 1970-74年 1972年:マジンガーZ 1974年:グレートマジンガー 1974年:ゲッターロボ 1975-79年 1975年:ゲッターロボG 1975年:★鋼鉄ジーグ 1976年:超電磁ロボ コン・バトラーV 1976年:大空魔竜ガイキング 1977年:超電磁マシーン ボルテスV 1978年:無敵鋼人ダイターン3 1978年:闘将ダイモス 1980-84年 1981年:戦国魔神ゴーショーグン 1985-89年 1985年:機動戦士Ζガンダム 1986年:機動戦士ガンダムΖΖ 1988年:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1990-94年 1991年:機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 1994年:★機動戦士クロスボーン・ガンダム 1995-99年 1996年:◎真ゲッターロボ(原作漫画版) 1997年:新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 1997年:★勇者王ガオガイガー 1998年:★ブレンパワード 2000-04年 (2003年/本作) - バンプレストオリジナル ※年代参考:資料01:SF映像作品リスト ※初出年次順で掲載。★黄色セルは新規参戦。◎は機体のみ参戦。 ※「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」については、小説版初出の各種要素を含む(リンク先参照) <(参考)非リスト作品> ※上記リストにはないものの、実質的に参戦している作品 初出年 作品名 備考 1991年 機動戦士ガンダムF91 機体・パイロットともに登場(クロスボーン・ガンダムと折衷) 1998年 ◎真ゲッターロボ 世界最後の日 機体のみ登場(ブラックゲッター/隠し) <ゲーム情報> 【全話一覧】第2次スーパーロボット大戦αシナリオ一覧(まとめ中) 【オプション情報】(→オプション情報大事典所収)第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典01 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典02 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典03 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典04 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典05 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典06 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典07 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典08 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典09 第2次スーパーロボット大戦α キャラクター事典10 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑01 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑02 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑03 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑04 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑05 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑06 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑07 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑08 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑09 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑10 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑11 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑12 第2次スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑13 <攻略記録・その他雑感> coming soon...
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第三次スパロボロワイアル-----ネタバレ名簿-----作品別名簿-----第二回放送まで 7/4 スーパーロボット大戦OG ●タスク・シングウジ/○ギリアム・イェーガー/○ヴィレッタ・バディム/○ユウキ・ジェグナン/ ○ウォーダン・ユミル/●ウェンドロ/●アギーハ 1/0 スーパーロボット大戦F完結編 ●エリート兵 1/0 スーパーロボット大戦MX ●エルデ・ミッテ 1/1 第三次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ ○イルイ 2/2 スーパーロボット大戦Z ○ジ・エーデル・ベルナル/○レーベン・ゲネラール 1/1 スーパーロボット大戦D ○ウンブラ 1/1 スーパーロボット大戦W ○カズマ・アーディガン 2/2 スーパーロボット大戦K ○ミスト・レックス/○イスペイル 1/0 ゲッターロボG ●車弁慶 2/1 グレートマジンガー ●剣鉄也/○暗黒大将軍 1/0 鋼鉄神ジーグ ●草薙剣児 3/2 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY ●コウ・ウラキ/○アナベル・ガトー/○サウス・バニング 4/2 機動戦士ガンダムZZ ●ジュドー・アーシタ/○エルピー・プル/○プルツー/●ラカン・ダカラン 1/1 機動戦士ガンダムF91 ○シーブック・アノー 2/0 機動戦士クロスボーン・ガンダム ●トビア・アロナクス/●カラス 1/1 機動武闘伝Gガンダム ○ドモン・カッシュ 2/1 新機動戦記ガンダムW ●張五飛/○トレーズ・クシュリナーダ 1/0 機動新世紀ガンダムX ●ジャミル・ニート 2/2 機動戦士ガンダムSEED ○ディアッカ・エルスマン/○ラウ・ル・クルーゼ 1/1 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY ○カナード・パルス 2/2 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ○シン・アスカ/○レイ・ザ・バレル 1/1 無敵鋼人ダイターン3 ○破嵐万丈 2/1 戦闘メカ ザブングル ●ジロン・アモス/○ティンプ・シャローン 1/0 聖戦士ダンバイン ●ショウ・ザマ 1/0 重戦機エルガイム ●アマンダラ・カマンダラ 1/1 ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU ○ツワブキ・ダイヤ 2/1 機動戦艦ナデシコ ●ヤマダ・ジロウ/○イネス・フレサンジュ 1/1 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- ○ホシノ・ルリ 2/2 ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 ○衝撃のアルベルト/○静かなる中条 1/0 超重神グラヴィオン ●紅エイジ 6/4 蒼穹のファフナー ○真壁一騎/●皆城総士/○遠見真矢○/●羽佐間翔子/○カノン・メンフィス/○春日井甲洋 1/0 超獣機神ダンクーガ ●藤原忍 2/2 創聖のアクエリオン ○アポロ/○シリウス・ド・アリシア 1/1 マシンロボ クロノスの大逆襲 ○ロム・ストール 1/0 勇者王ガオガイガーFINAL ●ルネ・カーディフ・獅子王 2/2 新世紀エヴァンゲリオン ○碇シンジ/○渚カヲル 4/2 宇宙の騎士テッカマンブレード ○Dボゥイ/●テッカマンレイピア/○テッカマンアックス/ ●テッカマンランス 1/0 フルメタル・パニック! ●テレサ・テスタロッサ 1/1 ガン×ソード ○ヴァン 70/43
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泥沼で乱舞する二人はその中で何を見たのか ◆PfOe5YLrtI C-2を中心に発生した大乱戦の終結から、既に1時間以上が経過していた。 あの戦いの後、ヴィレッタはD-1の灯台にてタスクの帰還を待ち続けた。 しかし、どれだけ待ってもタスクが彼女のもとに戻ってくることはない。 運に恵まれてなかったといえばそれまでだ。 あの一箇所に多くの参加者が立て続けに集まり、しかもその全てが殺し合いに手をつけていた。 それだけでも最悪だと言うのに、運命は彼女達に何か怨みでもあるのか。 彼らの利害の一致や度重なる偶然により、ヴィレッタ達は彼らの大半から率先して狙いを定められる羽目となった。 周りは全て敵だらけ、袋叩きにあった挙句の連戦に次ぐ連戦。五体無事でいられる保証などどこにもない。 そんな戦場に、結果的にタスクを置き去りにしてきた格好になってしまった。 戦線離脱よりも、あの場で無理をしてでもタスクとの合流を図るべきだっただろうか。 そうでなくとも、元々彼は怪我人だった。応急処置と本人の予想以上の頑丈さにより、大事に至ることこそ なかったものの、本来なら自分が彼を守らなければならない立場にあったはずだ。 (くっ……!) ガルムレイドを起動させる。特に異常はない。 ダメージこそ小さくはないが、致命傷に至るほどのものではなかった。 その傷の少なさが、かえって後ろめたさを感じた。 もう少し、戦えたのではないか。タスクの救援に向かえたのではないか。そんな後悔ばかりが付きまとう。 あの場ではベストな判断を下したつもりだったが、割り切れるものではない。 戻らないタスク。彼の身に何らかの事態が発生した……ヴィレッタはそう判断する。 だとすれば、戻らなければならない。大乱戦の戦場だった場所、C-2エリアに。 ガルムレイドを飛び立たせ、ヴィレッタは灯台を出発した。 『何らかの事態』……それは灯台までの移動が困難な事態。 機体のトラブル――それだけで済んでいるならば、まだいい。 タスク自身に異常が発生した可能性もある。 気を失っているか、あるいは怪我を負って動けない状態にあるか―― ……いや、現実から目を逸らしても仕方がない。置かれた状況が状況だ。 ヴィレッタは最悪の結果を受け入れる覚悟を決めなければならなかった。 (あの場に最後に残っていた敵……シン・アスカと言っていたわね……) C-2への道中……いや、灯台で待ち続けていた時間からそうだ。 ヴィレッタには再び考えるチャンスが与えられた。 ジョーカーという立場にある自身の身の振り方、タスクに真相を打ち明けること…… その件に関しては、既に腹は括っている。 だが空いた時間は、それ以外のことを考える余裕も作り出した。 ヴァルシオーネに乗っていた、自分同様ジョーカーであるイスペイル。 直接接触できる余裕はなかったが、離脱のチャンスがありながらも彼はタスクに仕掛けていた。 ノルマ達成のためには已む無しといったところか。注意しておくに越したことはない。 あの戦場から引き離されるきっかけとなった、ヤドカリのような機体。 大胆な奇襲戦法に加え、引き際も弁えている。かなりの腕を持ったパイロットと見受けられた。 執拗に、病的なまでに自分を攻め立ててきた、獅子の特機。乗っていた男の名はレーベンと言ったか。 あれは完全に狂気の類と言ってもいい。自分、いや……まるで女性そのものを目の仇にするかのような。 そして、スレードゲルミル……シン・アスカと名乗った、どこか危うさを感じさせる男。 彼とタスクが戦闘に入る所で、ヴィレッタの視界はヤドカリへの抵抗と共に戦場から離れていった。 ――うるさい! 違うもんか! 信じられるものか!! 弁解の余地すら与えず。一方的な決めつけで、彼は相手の論を封殺する。 乱暴にも程がある、滅茶苦茶な理屈だ。だがそれが逆に違和感を誘う。 特に最後の叫びは、無理にでも自分を納得させるような感情すらこもっていた。 強引に迷いを振り切るかのような。何が彼を、ああも駆り立てていたのか。 (信じられるものか……か) ――やめよう。 一瞬過ぎった、シン・アスカに対する感傷を振り払う。 必要以上に、相手の内面に踏み込むべきではない。 彼にも彼なりの、何らかのやむを得ない事情があるようだが……同情できるだけの余裕はない。 そんなものは誰だって同じだ。このバトルロワイアルに参加した、全ての人間に事情は存在するはずだ。 生半可な感傷は迷いを生む。その迷いは自分自身を、時に仲間をも傷つけることになる。 暴走する刃で人を傷つけるようであれば、どんな理由であれその行為を許すことはできない。 もし、話し合いが通じない者が相手ならば……躊躇いなく討つだけだ。 たとえそれが同情に値する相手だとしても。ヴィレッタは非情に徹する決意を固める。 そうでなければ、生き残れない。この殺人ゲームは、それだけの過酷さを秘めている。 彼女自身も気付いてはいないだろうが…… それは少しずつとはいえ、バトルロワイアルの理に飲み込まれている証拠でもあった。 その時。 「――ッ!?この反応……!!」 感度の大幅に悪化したレーダーが、反応を示す。 ちょうど向かう先のC-2の方角から接近してくる飛行物体。ビッグデュオの反応ではない。 反応した方角へと目を向ける。 既に相手を目視できた。ヴィレッタのもとへと向けて高速接近してくる、一体の特機。 その機体の正体を判別できた時。 その機体の取ったモーションで、相手の次の行動が予測できた時。 その機体を――敵だと判断した時。 「ファング・ナックル!!」 ヴィレッタはガルムレイドの拳を撃ち放っていた。 接近してくる敵機めがけて、真っ直ぐに。 そして――敵機もまた同様に、拳を撃ち放つ。 ファング・ナックル。 ドリルブーストナックル。 両機のほぼ中間地点でぶつかり合う、二つのロケットパンチ。 火花を散らし、互いの勢いを殺ぎ合って威力を相殺する。 やがて二つの拳は離れ、それぞれの腕へと戻っていった。 「ちっ……!」 ナックルをガルムレイドの腕に戻し、ヴィレッタは表情を強張らせる。 彼女が睨みつける敵は、頭部や腕に着けられたドリルと、巨大な剣が象徴的な特機。 「スレードゲルミル……シン・アスカか……!」 今の彼女にとって、あらゆる意味で最も望まない相手との遭遇だった。 自然と警戒心が強まる。 「……あんたを探していた」 通信越しのシンの口調は、静かで抑え目だった。しかしそれが建前であることは明白だ。 破裂寸前の怒りを無理矢理抑え込んでいるであろうことが、容易に見て取れる。 「今度こそ答えて貰う。お前は何を知っている?レイはどこにいるんだ!?拒否は許さない!!」 それを証拠に、徐々に声が荒立ってくる。 それでも、一応の理性は保てているか?ならば、話し合いに応じる余地はあるかもしれない。 だが……彼には悪いが、何より先に聞くべきことがある。 「……了解した。だが、こちらにも聞きたいことがある。まずは……」 「答えろと言ってるんだ!!それ以外の返答は求めちゃいない!!」 ……前言撤回すべきか。これはフェアな取引の通じる相手ではない。 こちらの意思は無視して、自分の要求だけを強制する。どこの子供だ、これは。 「答えないとは言っていないわ。だけど、その前に……」 「うるさい!!あくまでシラを切るつもりかッ!!」 ヴィレッタの弁解にも聞く耳持たず。斬艦刀の刃先をガルムレイドに向け、吠えたてる。 あまりにも一方的で自分勝手な姿に、流石のヴィレッタもいい加減苛立ち始めていた。 「……一応言っておくけど、貴方の望む答えは持ち合わせてないわ。それでも――」 「そうかよ!!だったら、力ずくでも聞き出してやる!!」 そう吐き捨てて、斬艦刀を構えるスレードゲルミル。 まさかここまでとは――ヴィレッタはただ閉口するしかなかった。 「さっきから、質問する人間の態度とは思えないわね……!」 ――付き合っていられるか。 ヴィレッタはシンに見切りをつける。 こちらの弁には耳を傾けず、一方的な理屈を押し付けて子供のように喚き散らす。 こんな人間を前に、理性的な対応を求めるだけ時間の無駄だ。 彼女にしては、やや急ぎすぎた判断だったかもしれない。 だが、仲間の危機という手前、彼女にはここで時間を食っている暇はない。 こんな男に構っている余裕などない。一刻も早くタスクのもとへ…… ……いや、違う。 彼がここにいるということは、タスクのビッグデュオを通り抜けてきたことを意味する。 「先にこちらの質問に答えなさい。タスクは……あなたの戦っていた赤いロボットはどうしたの!?」 「ッ!……あんたの話は聞いちゃいない!!」 一瞬、ほんの一瞬だけ声を詰まらせたシンに、不信感が刺激される。 「質問に答えろ!!」 最悪の事態を察した、その焦りと怒り。その矛先はシンか、それとも彼女自身か。 どちらであろうと、それによりヴィレッタの口調が強まったのは事実だ。 「それはこっちの台詞だッ!!」 負けじと、シンも怒声を飛ばす。 完全なる平行線。この二人に、話し合いの余地など存在しなかった。 既にシンが力ずくを宣言しているし、そもそも初めからそんなものはありはしない。 スレードゲルミルが地を蹴り、不毛な争いの幕が上がった。 ◇ ◇ ◇ ……この流れ、あまりにも短絡的だ。両者とも怒りと苛立ちに任せ、傷つけ合う選択をしてしまった。 何故、こうなってしまったのか。特に、本来冷静なはずのヴィレッタまでがこのような乱暴な行為に 出るなど、通常ではまず考えられないことだった。 これというのも、どちらにも互いの質問に答えられない背景があったが故である。 ヴィレッタは現在、レイ・ザ・バレルについて何かを知っているとシンに認識されている。 だが彼女が持ついる情報とは、レイがジョーカーであることだけ。 ヴィレッタとしては、この情報を簡単に渡すわけにはいかない。 ジョーカーの情報の漏洩を許すことは、彼女にとっては好ましくない展開だ。 タスクのような信頼できる仲間にならともかく、赤の他人に明かせる内容ではない。 無用の混乱や疑心暗鬼を呼び起こす可能性がある。下手な対応は、今後の行動に差支えが出る。 そして、彼女もまたジョーカーだ。それをシンが知った時、目の前の彼女に対しどんな反応をするか? 仮にこれを上手く隠して、レイのことだけを教えても、結局は同じことだ。 シンはこう返してくるだろう。 「なんであんたがそんなことを知ってるんだ」と。 そう来られては、ヴィレッタは答えられない。どう転んでも自分に疑いを向けられる。 シンはレイの所在を求めている。ならば、嘘でも適当な方向を示せば、やり過ごせるのではないか? 彼がある程度理性を保っていたなら、ヴィレッタもその手段を選んだかもしれない。 嘘で誤魔化さずとも、今より遥かに無難な結末に導けた可能性はある。 しかし、彼は前と変わらず荒れ続けていた。話し合いすら通じる状態ではないと判断できた。 今の彼を野放しにするのは危険だ。さらなる犠牲者を生むことになりかねない。 迷いをかなぐり捨てようと暴走し、怒りと苛立ちに神経過敏になっている。 その刃が、他の参加者を傷つける可能性は低くはない。 そして何より、一番の判断材料は、タスクの存在だ。結局行き着く先はここである。 タスクの身を案じるあまり、判断を急がせた。 シンがタスクを死なせた可能性が、否定の方向に判断を傾けた。 では、もしもシンが少しでも頭を冷やしていれば、こうはならなかったのだろうか? いや……同じことだ。というより、シンもまた自分の横暴についての自覚はあった。 いきなり攻撃を仕掛け、力ずくでねじ伏せ情報を聞き出す。あまりに強引で乱暴すぎる手段。 一方的で勝手過ぎる……それはシン自身も十分に承知していた。 承知の上で、彼にはこうするしかなかった。 無理矢理にでも、彼は先に自分の質問を相手に答えさせるしかなかったのだ。 もし両者が何事もなく接触した場合、ヴィレッタはまず最初にタスクの所在を問い詰めてくることだろう。 事実、彼女は問い詰めてきた。先にしたはずの自分の質問よりも優先して。 タスクはシンと戦っていた。タスクの姿が見えないとなると、疑惑の念はシンに向けられる。 シンはこの問いに答えることはできない。何故なら。 タスクは既に死んでいる。 あの赤い巨人は、突如乱入してきた春日井甲洋の蒼い機体の一撃により、海に沈んだ。 あれは間違いなく、コックピットを焼いていた。中の人間は生きてはいまい。 タスクが死んだとわかれば、ヴィレッタはシンを許さないだろう。 そうなってしまえば最後、情報どころの話ではなくなる。 仲間を殺害した疑惑のある人間相手に、誰が信用などするものか。 直接的原因が甲洋の乱入だと話したとして、あの状況でそれを誰が素直に信じるというのか。 仮に死んでいませんと、生きているが別の場所にいますと誤魔化したら? ……誰がそんな見え透いた嘘を、おいそれと信じてくれるものか。 ほんの少し前まで敵対していた人間の、殺し合っていた人間の言葉を真に受ける馬鹿などいない。 この点は、ヴィレッタにも同じことが言えた。 ……詰まる所。 自分は、相手の質問に答える気がない。 その癖、自分の質問にはさっさと答えろ。 話し合いが成り立つはずがない。 ◇ ◇ ◇ 空から動きを封じてくる鷹の砲撃に、陸から牽制を繰り返す狼の牙。 ガルムレイドに従う二体の支援メカが、ヴィレッタの命令のままにスレードゲルミルを追い詰める。 「こいつら、ちょこまかと……ッ!」 加えて、弾幕の嵐がスレードゲルミルに浴びせられる。 ブラッディレイ、ビームキャノン、ビームマシンガン。隙を見て、TEスフィア・ブレイザー。 ガルムレイドは斬艦刀の届かないギリギリの距離をキープしながら、砲撃戦に徹していた。 斬艦刀による一撃必殺、それがスレードゲルミルの基本戦術。 故に、相手を倒すには間合いを詰めることは必須。 だが息をつかせぬ猛攻に、シンは突貫のチャンスを得られない。 砲撃の穴が見えたと思ったら、絶妙のタイミングでヒオウがその突貫を挫いてくる。 結果、距離を詰められず反撃の糸口を掴めないシンは、防戦一方を強いられていた。 斬艦刀が無理なら、ドリルブーストナックルならばどうか。 この距離なら斬艦刀は届かずとも、ナックルなら一撃を見舞うことはできる。 だが、これはヴィレッタのちらつかせた餌。 ナックルを飛ばせば一時的に片腕を失い、その間本体がお留守となる。 その瞬間、今は牽制を繰り返すだけのロウガが牙を剥き、シンはその餌食となるだろう。 「あいつ、この機体のことを知ってるのかよ……くそっ!」 一方でヴィレッタもまた、スレードゲルミルに対し攻めあぐねていた。 一見一方的な砲撃により優勢に見えるが、決定打が与えられていない。 厚い装甲とマシンセルによる自己修復能力の壁は厚く、このままの戦い方では長期戦は必至。 そうなれば、逆にガルムレイドの方が息切れを起こすことになる。 (このままでは埒が明かない……こんなことをしている場合ではないというのに……!) 短期決戦。一瞬の隙を突き、大火力の一撃で押し切るしかない。 そしてヴィレッタには、そのための策があった。 しかしそれを行うには、相手に隙を作らせる必要がある。 (これ以上時間はかけていられない……ならば) 腹を決め、スレードゲルミルを見据える。 ぞっとするほど冷たい輝きを、その瞳に灯して。 エアロゲイダーの下にいた頃以来の非情さを、掘り起こす決意を込めて。 ◇ ◇ ◇ さて……次は両者の置かれている状況とメンタル面について触れたい。 戦いに持ち込むまでの動機は意外と大差のない二人だが、こちらについては大きな差異がある。 シンとしては、この場でなんとしてもヴィレッタから情報を引き出したかった。 レイの情報を持っている彼女は、シンにとって現状で唯一のあてであり、絶対に逃がすことはできない。 また、情報が目的であるために、ヴィレッタを殺すこともできない。 これらの点は、戦闘において大きな枷となる。 強襲・一撃必殺を得意とするスレードゲルミルともなれば、なおさら困難な戦い方を強いられる。 この戦闘、見た目以上にシンはハンデを抱え込んでいた。 対して、ヴィレッタ。彼女に食い縋る他ないシンに比べると、彼女の場合はかなり余裕がある。 無理にシンに拘る必要はない。タスクの情報を仕入れるのは、別にシンでなくても構わない。 現場に向かい、直接タスクの安否を確認すればいい。放送で確認する手もある。 ヴィレッタにとって、シンの重要度は然程でもなかった。 話が通じない以上、彼女にとってシンは障害以外の何者でもない……つまり。 シンを殺しても何ら問題はない。躊躇する必要など何もない。 いや、もっとはっきり言ってしまおう。 ここで殺しておいたほうが、彼女にとってはあらゆる意味で都合がいい。 今後もこのままシンが暴走を続け、他の参加者にも刃を向ける可能性を考慮するなら。 後顧の憂いを立つ意味でも、そして自身に課せられたノルマのためにも、今ここで殺っておくべきだ。 シンの事情を考えない、自分勝手な理屈であることは承知の上だ。 だが、こうなる可能性も、自らの手を血に染める覚悟も彼女は決めている。 さて……彼を殺すという前提が許されるのであれば。 ヴィレッタはいつまでも無理に、情報を隠し続ける必要はない。 例え彼にジョーカーの情報を漏らしても――その口を封じてしまえばいい。 そのために、彼女は次の一手を投じる。 死人に口無し、とはよく言ったものだ。 ◇ ◇ ◇ 「……この殺し合いが始まる直前、シャドウミラーの幹部の一人に呼び出された者達がいる」 「何!?」 砲撃に交えて、ヴィレッタは回線を開き語り始める。 情報を小出しに、且つ思わせぶりを心がけなければならない。 「その幹部は、殺し合いの進行を促すための存在……ジョーカーを欲していた。 そこで、呼び出した参加者達にその役目を与えた」 「!?あんた、何を言ってるんだ!?」 あまりに阿漕で汚い真似をしていると、若干の自己嫌悪の念を抱かないでもない。 だが、この方法が一番効果的に隙を作り出すことができる。 シンがヴィレッタに求めているのは情報。ならば、それをちらつかせればいい。 「幹部は参加者達にこう言った。二度目の放送までに、参加者の二人を殺害しなければ…… ……首輪が爆発する、と」 「なっ……!?」 双方の攻防から、徐々に勢いが薄まっていく。 ヴィレッタの口にする情報が、この戦闘におけるウェートを占めてきた証拠だ。 「なんでお前が、そんなことを……!?」 よし、食いついてきた。ロウガとヒオウを呼び戻し、機体に再装着させる――ここが重要。 「呼び出されたのは7人……私もその中の一人だった。そして」 勿体ぶる意味合いも込めて、一呼吸置く。 「――まさか」 そう、そのまさかだ。 そしてこれが、お前の望んでいた情報だ。 ヴィレッタは、最後のカードを彼に突きつける。 「その中に、レイ・ザ・バレルもいた」 「!?」 シンの中に、動揺が走る。 友が、殺人を強要されているという窮地に陥っていることに。 その僅かな動揺は――ヴィレッタのつけ入る隙を与えるに十分だった。 「やっぱり!?あんた、レイのことを……」 「――イグニション」 ファング・グリル開放、燃え上がるガルムレイド・ブレイズ。 冷徹なヴィレッタとはまるで対照的な、熱い炎が巻き起こる。 今話したことが、持ちえるレイ・ザ・バレルの情報の全て。 シンはさらなる情報を求めているようだが、これ以上語ることはない。 四つの瞳が、スレードゲルミルを捉える。 その懐を目掛けて―― 一気に飛び込む。 「なっ――!?」 その突撃に、シンは対応しきれない。 隙を突かれたとか、不意を打たれたとか、決してそれだけが原因ではなかった。 ここに来て、全く予測していない戦法が取られたからだ。 これまでの戦い方から、シンはガルムレイドが中~遠距離における砲撃戦主体の機体だと錯覚していた。 ところが、この突進力はどうだ?この機体は格闘戦も万能にこなせたと言うのか?そう思わせる動きなど、全くなかったはずだ。 これこそが、ヴィレッタの策だった。 ガルムレイド・ブレイズは、二つの形態を使い分けることができる。 二体のマシン・アニマリートの装着部位によって、大きく戦い方を変えることができる。 これまでシンと戦っていた形態は、砲撃戦・防御主体のS形態。 そして今炎を纏い牙を剥くガルムレイドは、格闘戦用に特化した、火力重視のG形態だ。 「ロウガ・クラッシャー!」 ガルムレイドの右腕に装着したロウガが高速回転し、そのままロケットパンチとして撃ち出された。 斬艦刀――間に合わない。ボディを守るように、左手で咄嗟に防御する。 だが、ガルムレイドの勢いの前では、左手一本では足りない。 炎を纏ったまま高速回転し、なおかつ突進の加速も加わって、ロウガの拳の威力は増幅される。 その一撃を受けたスレードゲルミルの左腕は、砕かれ、爆発を起こす。 「ぐぅっ!?」 発生する光と煙で、一瞬視界が奪われる。 そこから生まれる更なる隙、その一瞬でヴィレッタは既に次のアクションへと移っていた。 煙が晴れた時、シンの目の前には回転鋸のような光を纏った、ガルムレイドの右脚があった。 「ライトニング・スピンエッジ!!」 蹴りが一閃―― 斬艦刀が地に落ちた。それを握る右手と、共に。 「がっ……」 右腕にかかっていた斬艦刀の重量が、不意に右腕ごと失われる。 崩れるバランス。その身体は重力に従い地に吸い寄せられていく。 斬艦刀を手放し、両腕をも失った。スレードゲルミルに、抵抗の術はない。 シンの目が見開かれる。 ロウガを戻した右手に炎を纏わせ、コックピットへと一直線に突き出すガルムレイドの姿が見えた。 「エグゼキューション……レイドッ!!」 「――!!」 ――やられる。 反射的に、身体が動いた。 ほんの一瞬だけ、体勢を立て直し、その身体を捻らせる。 直後、伝わってくる強烈な衝撃。 「がは……っ!!」 ロウガの牙はコックピットから外れ、その脇腹に食らいついていた。 急所はかろうじて外れた――だが、それだけには留まらない。 「悪く思わないで……イクスプロージョン……!」 次の瞬間、スレードゲルミルの全身が炎に包まれる。 コックピット内の温度も、急激な上昇を余儀なくされた。 「ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 シンの絶叫をBGMに、ヴィレッタは最後の仕上げに入る。 ガルムレイドは力任せに、スレードゲルミルの巨体を抱え上げた。 このままターミナス・ブラスターをフルパワーで叩き込む。 そこで初めて、エグゼキューション・レイドは完成するのだ。 いかにスレードゲルミルといえど、この火力の直撃は耐えられない。 「デッド・エンドよ……」 勝敗は、決した。シンの命は、文字通り完全にヴィレッタの手に握られた。 「次は貴方の番よ……タスクはどうしたか、答えなさい」 ヴィレッタの質問に、シンからの回答はない。 答え終われば、その命が終わることを理解しているからか。 あるいはあくまでも意地を張っているのか、それとも単に喋ることに意識が回らないだけか。 「答えたくなければ、構わない……ならば、せめて言い残すことがあるなら、聞くわ」 彼女にそう言わせたのは、自分が非道で残虐な真似をしているという自覚があるからか。 シンもまたこのゲームの被害者だ。 それをわかりながら、ヴィレッタは彼の命を容赦なく摘み取ろうとしている。 仲間達がこの姿を見れば、口を揃えて非難するだろう。 そんな後ろめたさが、獲物の最期を前に甘さを許したのか。 無念の言葉でも、自分への怨み節でもいい。 どれだけ怨んでくれても構わない。それを受け止め、罪を背負っていく。 そして必ずシャドウミラーを倒し、この殺し合いを止める。もう、彼のような人間を出さない。 それが、今できる精一杯の償いだ。 「なんで……最初からそれを言わなかった……」 口を開いたシンの言葉は、相変わらずだった。 勝手なものだ。聞く耳を持たなかったのは、むしろ彼の方である。 ……今となっては、それは言うまい。勝手なのはお互い様だ。 「あんたがさっさと口を割っていれば……こんなことにはならなかった!!」 子供でもないだろうに、最後まで癇癪を起こし続けるのか。 だが……このバトルロワイアルが、彼をここまで追い詰めてしまったことは判る。 もういいだろう。せめて苦しまないよう、一瞬で終わらせるのみ。 心の中で謝罪して、ブラスターのトリガーに手を添える―― 「あいつが、あのタスクって奴が死ぬこともなかっただろうに!!」 ――――!! わかっていたことだ。覚悟していたことだ。 だが、それでも、次の彼の言葉で。 「あんたがタスクを殺したんだッ!!!」 ヴィレッタの中で、刻が、止まった―― まるで彼女の感情に呼応するかのように、ガルムレイドを纏う炎が弱まり。 スレードゲルミルを捉えた力もまた、弱まった。 「う……おおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」 持てる全てを込めて、背のブースターを全開にする。炎による誘爆の危険性など構わない。 「あんたは……一体……!」 噛み付かれた脇腹を基点に遠心力が働き、頭部が勢いよく前に動く。 その頭部のドリルは――既に高速で回転を行っていた。 「何なんだああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」 ドリル・インフェルノ。武装を失ったスレードゲルミルの、最後のカード。 「しまっ……!?」 ヴィレッタが反応した時には、もう遅い。 スレードゲルミルに食らい付いたガルムレイドの右腕に、ドリルが食い込んだ。 一秒と経たずに、右腕は本体から切り離される。 突然の抵抗にガルムレイドはバランスを崩し、そのまま転倒する。 シンは意識したわけではないだろうが、完全に意趣返しを食らった格好となった。 ガルムレイドの束縛から逃れたスレードゲルミルは、すぐに離脱を試みる。 地に落ちた斬艦刀のもとへと駆け寄る、しかし拾い上げようにも両腕がない。 なりふり構わず、『口で』拾い上げる。柄の部分に噛み付いて、そのまま持ち上げる。 無様な格好だが、体裁を気にしている場合ではない。 斬艦刀の刀身を最小限まで抑えると、そのままフルスピードで空へと飛び立った。 「くっ……待て!!」 ガルムレイドが起き上がった時には、既にスレードゲルミルの姿は小さくなっていた。 G形態の武装の射程では届かない。それを捉えることはできなかった。 ◇ ◇ ◇ あれから追撃を試みるも、逃走したスレードゲルミルの機影を、完全に見失ってしまったヴィレッタ。 その後、彼女は当初の目的どおりC-2へと辿り着いていた。 彼女のこの行動は無意味だ。シンははっきりと、タスクの死を叫んでいた。 今さらここに来るよりも、情報を漏らしてしまったシンの追撃を優先すべきだろう。 にも拘らず、何故わざわざ足を運んだのか。 その目で真偽を確かめるため?タスクの死を信じたくなかったためか? それらもあるが、他にもう一つ理由はある。 その理由は……通常の彼女ではありえないほど感傷的な思考の果てのものだった。 本来の彼女なら、仲間が死を迎えたとしても、それを乗り越え次の行動に移れる強さはあった。 いや、シンと遭遇した時点で、タスクの死が突きつけられる覚悟は実際に決めていたはずだった。 ――あんたがさっさと口を割っていれば……こんなことにはならなかった!! だが、あの時の、シンの言葉で。 ――あんたがタスクを殺したんだッ!!! 彼女の思考は、底なしの泥沼のさらに奥へと嵌り込んでしまったのだ。 彼とのファーストコンタクト、乱戦の中で遭遇した時の記憶を掘り返す。 ――はぁ? 何を歯切れの悪いコトを言って……知っているのか知らないのかどっちなんだ! ――アンタのせいだ……アンタがレイについて話せば、こんなことにはあああああああああッ!! 彼の言う通り、あの時点でシンに情報を提示しておけば、場を丸く治めることもできたかもしれない。 そしてタスクもまた、彼との戦いに身を投じ、命を落とすこともなかったかもしれない。 どうしてあの時、シンにレイのことを話すのを躊躇ったのか。 簡単だ。ジョーカーの存在が露呈することを恐れたから。 誰に?……タスクにだ。仲間に自分がジョーカーであると知られることを恐れた。 ……? ――いや、待て? ここで、ヴィレッタは自分自身の思考に違和感を抱く。 タスクにジョーカーのことを知られては拙いから、黙っていた。 何故、拙いと思った? タスク・シングウジはどんな男だった? 仮にヴィレッタがジョーカーであることを知ったとして、彼はどんな対応を取っただろうか? 殺し合いに乗るかもしれないからと、ヴィレッタに疑いの視線を向けてくるだろうか? ジョーカーだからと、仲間に対する視線を変えてしまうような人間だったか? 違うはずだ。 彼は、ハガネやヒリュウ改のお人好しの仲間達は皆、まず状況の打開を考える。 では何故だ? タスクに問題はない。なら、問題があるのはヴィレッタの側だ。 どうして、当初ジョーカーであることを黙っていた? 簡単だ。恐れていた。仲間からの拒絶を。 だが、ヴィレッタはそれを否定しようとする。認めたがらない。 何故なら、この流れに従った上でそれを認めてしまえば。 ――それは、仲間を信用してなかったということではないのか? ヴィレッタの中に、疑念が浮かび上がる。それは仲間に、他者に対するものではない。 自分自身の、仲間に対する信頼を、彼女は疑い始めた。 気絶したタスクを前にした時、彼を殺すという選択肢が浮かび上がった。 自分がジョーカーであることを知られたくがないゆえに、タスクを危険に巻き込んだ。 結果的にとはいえ彼を助けに行こうともせず、死地を後にした。 自分の取った行動が証明している。 彼女の取った行動を順序だてて突き詰めて、それで行き着く先。 ――自らの保身。 それは生あるモノとして当然の意識だ。責められる事ではない。 だが、彼女はタスクを死に追いやったという事実を認識してしまった。 そのことにより、少なくとも彼女の中では、その意味合いは変化しつつあった。 そして彼女は、タスクの死の真偽を確認する名目で、C-2に辿り着いた。 シンの追撃=『自分の保身』よりも、タスクの生死の確認=『仲間への信頼』を優先した。 これが、C-2の調査を選んだもう一つの理由である。 ……これこそまさに、馬鹿げた感傷に他ならない。そんな体裁を自分に取り繕ってどうするのか。 C-2周辺の捜索を、一通り終える。 結論から言うと、発見できたのは、一本の巨大な腕――ビッグデュオの、右腕のみ。 ここでヴィレッタは不自然な点に気付く。 ビッグデュオの本体がないのだ。その存在を示す証拠が、一欠片たりとも存在しない。 仮に、ビッグデュオが撃破されたとして。 あれだけの巨体と装甲を、細かく砕くのは困難だ。 もし機体が大破したのであれば、その残骸が少しでも見つかってもいいはずだ。 だが現実には、右腕以外の目立った残骸は残っていなかった。 機体が跡形も残らず完全消滅した可能性もある……が、そのケースも考え難い。 スレードゲルミルには、基本的に攻撃手段を両腕のナックルと斬艦刀に依存している。 装甲の厚いビッグデュオを完全消滅までさせられるほどの火力を誇る武装はないはずだ。 もしかするとタスクはビッグデュオと共に、この戦場を離れたのかもしれない。 ……楽観的にも程がある推測だ。 どちらにしても、彼の生死はもうすぐ流れる放送で判明する。 「……何をしているのかしらね。私は……」 こんなことではいけない。これでは、まさにシャドウミラーの思う壺だ。 そう、わかっているはずなのに。 彼女の中で、何かがおかしくなっていく。少しずつ、何かを踏み外していく。 間もなく、放送が流れる。そして恐らく、その中でタスクの名が読み上げられるのだろう。 そう……『我が身可愛さに死に追いやった』仲間の名が。 【ヴィレッタ・バディム 搭乗機体:ガルムレイド・ブレイズ(バンプレストオリジナル) パイロット状況:強い後悔と自己不信。DFCスーツ着用、ちょっと恥ずかしい 機体状況:EN30% 右腕損失。胸部、左腕損傷 現在位置:C-2 第一行動方針:……とりあえず、放送に備える。 第二行動方針:ギリアムを探し、シャドウミラーについての情報を得る。 第三行動方針:出来る限り戦闘は避け、情報を集める。戦いが不可避であれば容赦はしない。 第四行動方針:ノルマのために誰かを殺害することも考えておく。 第五行動方針:そう、誰かを……? 最終行動目標:生き残って元の世界へ帰還する】 ◇ ◇ ◇ 「はぁっ……はぁっ……」 あれから、どれほどの距離を飛び続けただろうか。 場所も方角も把握できぬまま、ひたすら飛び続けて……やがて彼には限界が訪れた。 飛び続けたスレードゲルミルは、やがて搭乗者の消耗に従うかのように、地べたへと滑り落ちる。 咥えていた斬艦刀が口から滑り落ち、大きな金属音を奏でた。 「げほっ……っく、はぁ……」 息をするだけでも精一杯だ。もはやシンの体力は限界を超えていた。 思えば、朝からずっと戦い通しだ。今のヴィレッタとの戦いで、四連戦となる。 しかもそのどれもが、生死を分けるギリギリの境での戦闘だった。 いかにコーディネイターと言えど、身体を酷使しすぎだ。体力も集中力も尽きかけていた。 シンだけではなく、スレードゲルミルのダメージも無視できるものではない。 全身に蓄積されたダメージは既にマシンセルの自己修復でも追いつかなくなってきている。 左脇腹の傷は特に深い。修復にはかなりの時間を要するだろう。 両腕も失われ、斬艦刀を振るうことすらままならない。 彼には休息が必要だった。 「くそ……っ……急がなきゃ……」 しかしそれでも、シンはボロボロの機体を立ち上がらせ、再び歩みを進めていく。 ここまでの傷を受けてなお、シンは立ち止まることをやめようとしない。 偏に、ヴィレッタから聞き出したジョーカーの情報による。 (レイは俺よりもっと辛い状況にあるんだ……立ち止まってなんて、いられないだろ……!) 二度目の放送までに二人殺さなければ、死。そんな過酷な枷を、レイは填められている。 なおさら休んでいる暇なんてない。一刻も早くレイと合流しなければ。 彼に助けられているばかりではいられない。レイが苦しんでいるというなら、助けなければ。 ……どちらにしても、彼がレイに依存しているという事実に変わりはないが。 機体のエネルギーも残り少ない。今はとにかく、最寄の補給ポイントに向かわなければならない。 朦朧とする意識の中で場所を検索し、そのポイントへと機体を向かわせる。 刀を口に咥えてフラフラと歩いていく姿は、この上なく惨めな有様だった。 やがて、シンは補給ポイントへと辿り着く。 設置された補給装置を作動させる。あとは、機械が勝手に補給してくれるだろう。 シンは大きく息をついた。 まずは一段落だ。これで消耗したエネルギーを回復できる。 ご丁寧に失われた両腕も、弾薬と称して補給された。これで、まだなんとか戦える。 今は、休もう。補給が完了するまでの短い間だが、ここで少しでも身体を休める。 本来なら仮眠のひとつも取っておきたいが、もうすぐ放送だ。聞き逃すわけにはいかない。 今はレイの名を呼ばれないことを願うのみだ。 そして……ドモン・カッシュにシーブック・アノー。 彼らにも、死んで欲しくないと……そう思えた。 「……ん?」 突然、モニターに情報が展開される。 「なんだ……?」 いや、違う。この補給装置を通じて、情報が流れ込んでいるのだ。 その情報が、自動的に機体のモニターに展開される。 「――なんだ、これ」 無惨な死体が映し出されていた。 見覚えがあった。ジャミル・ニートだ。 「な……んで……」 その写真に添えられたデータは、他ならぬシン自身の情報だった。 シン・アスカという参加者が、写真の男――ジャミルを殺した。そんな内容だった。 スレードゲルミルの特徴なども事細かに記されている。 危険性だけを、悪意すら感じるほど存分に誇張されて。 「なんだよ……なんなんだよ、これ!?」 探し人としてエルピー・プルとプルツーのことも一緒に書かれていたが、それどころではない。 補給装置の端末にアクセスし、調べる。仕組みはすぐにわかった。 補給装置を使用した機体に、このデータが自動的に流れるトラップが仕掛けられていたらしい。 「くそっ、くそぉっ!!なんで、なんでこんなのが!?消えろ、消えてくれっ!?」 端末を弄り回すも、データを消去できない。他の端末から仕掛けられたもののようだ。 他の端末――つまりは、ここ以外の補給ポイントから。 どうやらこの補給装置、イントラネットの役割もあり、他の補給ポイントと情報が共有されるらしい。 「ま、まさか……」 他の補給装置を使用した機体全てに、同じようにこの情報が流れ込むというのか。 その考えに至った時、シンの表情が瞬く間に青ざめていく―― 「う……うわああああああああああああああッ!!!!」 気付けば、補給されたばかりのスレードゲルミルの拳が、補給装置を殴り壊していた。 まだ補給が完了していなかったが、そんなことに構っていられないほどにシンは取り乱していた。 「はぁッ……はぁッ……」 全身に流れる嫌な汗が止まらない。 これは報いなのか。修羅の道を選んだ自分への罰だというのか。 誰も信じられなくなって、差し伸べられた手も振り払って、迷いに迷って。 迷いを振り切るために、闇雲に、必要以上に刃を振るって。その果てがこれか。 「何やってんだよ……俺は……」 ジョーカーの存在を知った。 自分が人殺しだという情報が、他の参加者に知れ渡ろうとしていることも知った。 迷っても、後悔しても……もう、引き返せない。 【シン・アスカ 搭乗機体:スレードゲルミル(スーパーロボット大戦OGシリーズ) パイロット状況:疲労(極大)、混乱 機体状況:左腹部に損傷(大)、その他全身に損傷。マシンセル正常機能中。EN80% 現在位置:D-1 第一行動方針:!?!?!? 第二行動方針:レイを探す 第三行動方針:シ―ブックとドモンには会いたくない 最終行動方針:優勝し、ミネルバに帰還する……? 備考:レイとヴィレッタ、他5人のジョーカーの存在を認識しました】 ※D-1の補給ポイントが破壊されました 【1日目 13 50】 BACK NEXT 088 疑心/信心 投下順 090 人形~にんげん 075 ビッグデュオ・炎 時系列順 094 駆け抜ける嵐 BACK 登場キャラ NEXT 066 儚くも永久のカナシ(後編) ヴィレッタ・バディム 0 [[]] 066 儚くも永久のカナシ(後編) シン・アスカ 0 [[]]
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キャラ解説 自由にキャラ解説どうぞ。 真面目に語るも良し、スレ内設定を語るも良し。 マイ・コバヤシ (CV 折笠愛)このスレッドの主役にして可憐美な少女 SRXチームのメンバーで、アヤ・コバヤシの妹。 優れた念動力者でサイコドライバー(汎超能力者)の素質を持つ。 過去にエアロゲイターのスパイで有ったイングラム・プリスケンにより 地球から連れ去られ、記憶や人格の調整を受けレビ・トーラーとなり リュウセイ達と激しい戦闘を行った。 その後リュウセイに助けられ(α)、SRXチームの一員となる。 リュウセイの影響からかロボットアニメや特撮を見るのが趣味のようだ。 外見上の年齢は14歳前後、身長は146cmととてもちっこい。 コタツが大好きらしい 作品ごとに設定が大きく変わったりするので 実は解説文が結構書きにくかったりする。 リュウセイ・ダテ (CV三木眞一郎) 超機大戦SRXの主役にしてマイマイの本命。 スレの和み担当。 念動力の資質をイングラムに見いだされてSRXチームに入隊した18歳。 オーソドックスな熱血漢だが、重度のロボヲタ。 マイラトのロリロリコンビに好かれながらも自身はヴァルシオーネとアンジュルグ、そしてフェイ=イェンへの愛を貫く業の漢。 それらの女性ロボを除いたとしても、彼が一番気にかけている女性は母親のユキコさんだろう。 また、ライともびっくりするくらいのフラグを立てていてよくネタになる。マイマイとラトも大変だ。 AAが和む事で有名。 ゲーキャラ板等では、ことあるごとにアヤに簀巻かれている。 , -__ヽ|ノ ;;;;;;;ノノハヽ この程度ライだって避けられるぜ .ヾ ´∀ノ ライディース・F・ブランシュタイン (CV置鮎龍太郎) アヤ・コバヤシ (CV冬馬由美) ヴィレッタ・バディム (CV 田中敦子) イングラム・プリスケン (CV 古澤透) ラトゥーニ・スゥボータ (CV 平井理子) マイマイの恋のライバルにしてお友達のゴスロリ少女 スクール仕込みの天才的な操縦技術を誇る。 スクールの過酷な訓練や薬物投与のせいで対人恐怖症 となっていたがガーネットやジャーダ、リュウセイとの出会いにより 段々と人間的な感情を取り戻していく。 元々は服装や化粧には無頓着なタイプだったのだが ガーネットやショーンの粋な(?)計らいで現在の恰好に落ち着く。 OG2以降は普通の制服を着ていたらしいが「広報のため」と 広報部の人に言われてOVAではまたゴスロリに戻る。何の広報なんだろう? ラトゥーニとマイはリュウセイと結婚出来るか?スレでは マイと仲良く喧嘩したり、メール交換したりしている。 年齢は14歳、身長はマイより1cm高い147cm。
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09.ヴァージンヴィレッジャ EVENT_K09.ERB 口上作成者 127氏 【キャラクターの紹介】 ヴァージンヴィレッジャ(Virginvillager)。処女。基本的な性質はヴィレッジャに準ずるが、その名の通り、処女。最初の犠牲者を求め、森を徘徊する。数は少ない。 ヴィレッジャよりもかなり臆病で、すぐに逃げてしまう。そのためキスより先に足を縛る勇者が後を絶たない。 処女の締め付けが強いからか、半端な強さでは搾られてしまう。油断大敵。経験値は高く、有用アイテムを高確率で落とす。 無事に最初の犠牲者を組み伏せたあとは、普通のヴィレッジャに戻ると思われる。 尚、本編で主人公と交わりイかされたあと、元の人間として戻るときに、処女に戻るらしい。 【eraSQでの特徴】 夢魔と成るも未だ男を知らないヴィレッジャ。 eraSQにおける[処女]はとりわけ希少な存在である。 一般の夢魔では乙女の象徴であるユニコーンと特殊な事情を持つピクシーしかいない。 能力はヴィレッジャと変わらないが、体力・気力はさらに低い。 巷では彼女を狙い拘束して犯す「処女狩り」が流行っている為、人気がある。
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ヴィレッタ・バディム 031 JOKER 7 ◆MeiOuuUxlY 043 貧乏クジの行方 ◆PfOe5YLrtI 066 儚くも永久のカナシ儚くも永久のカナシ(中編)儚くも永久のカナシ(後編) ◆40jGqg6Boc 089 泥沼で乱舞する二人はその中で何を見たのか ◆PfOe5YLrtI 105 ジョーカージョーカー ◆JxdRxpQZ3o ウェンドロ 024 歪む運命 ◆PfOe5YLrtI ウォーダン・ユミル 025 紅ノ牙 ◆0cm..EdqyM 055 世界~じぶん~ ◆vtepmyWOxo 069 紅ノ墓標 ◆rfP3FMl5Rc 084 人馬一体! ◆EIyzxZM666 100 俺だってロムさんと組めば対主催として活躍できるはずなんですよ猿渡さん!(後編) ◆POvMLKAPKM ウンブラ 005 破滅の従者 ◆ZbL7QonnV. 038 たかやの唄 ◆s2SStITHHc 051 悪意の捻転 ◆vtepmyWOxo 081 不穏な予感 ◆8nmVsszo/6 100 俺だってロムさんと組めば対主催として活躍できるはずなんですよ猿渡さん!(前編)俺だってロムさんと組めば対主催として活躍できるはずなんですよ猿渡さん!(後編) ◆POvMLKAPKM エリート兵 005 破滅の従者 ◆ZbL7QonnV. エルデ・ミッテ 022 エルデおばさんの砲手日記・アイラビューな悪夢の日 ◆s2SStITHHc 036 超変身! 俺の名前を言ってみろ! ◆vtepmyWOxo エルピー・プル 013 巨人と獣と人間と ◆VI1alFlf1E 043 貧乏クジの行方 ◆PfOe5YLrtI 074 The Hero ◆i9ACoDztqc 087 復讐するは我にあり ◆Ujakh5O.Yc 093 take the wave ◆i9ACoDztqc 099 『ククク・・・どうしたミスト?私が慰めてやろうか?』 ◆nGpADDltwU 春日井甲洋 031 JOKER 7 ◆MeiOuuUxlY 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物 ◆vtepmyWOxo 056 忘却~たいせつなひと ◆UcWYLVG7BA 066 儚くも永久のカナシ儚くも永久のカナシ(中編)儚くも永久のカナシ(後編) ◆40jGqg6Boc 076 『 』~くうはく~ ◆i9ACoDztqc 105 ジョーカージョーカー ◆JxdRxpQZ3o カズマ・アーディガン 013 巨人と獣と人間と ◆VI1alFlf1E 021 振り向かずに走れ! ◆ZbL7QonnV. 052 強さの在処、心の在処 ◆MeiOuuUxlY 070 ユウキあるチカイ ◆PfOe5YLrtI 078 青春劇場 ◆f/BUilcOlo 088 疑心/信心 ◆8nmVsszo/6 カナード・パルス 002 Xと呼ばれたガンダム ◆ZbL7QonnV. 039 野性を縛る理性はいらない ◆I0g7Cr5wzA 061 混浴上等 ◆f/BUilcOlo 087 復讐するは我にあり ◆Ujakh5O.Yc
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第三次スパロボロワイアル-----ネタバレ名簿-----作品別名簿-----第三回放送まで 7/4 スーパーロボット大戦OG ●タスク・シングウジ/○ギリアム・イェーガー/○ヴィレッタ・バディム/○ユウキ・ジェグナン/ ○ウォーダン・ユミル/●ウェンドロ/●アギーハ 1/0 スーパーロボット大戦F完結編 ●エリート兵 1/0 スーパーロボット大戦MX ●エルデ・ミッテ 1/1 第三次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ ○イルイ 2/2 スーパーロボット大戦Z ○ジ・エーデル・ベルナル/○レーベン・ゲネラール 1/1 スーパーロボット大戦D ○ウンブラ 1/1 スーパーロボット大戦W ○カズマ・アーディガン 2/2 スーパーロボット大戦K ○ミスト・レックス/○イスペイル 1/0 ゲッターロボG ●車弁慶 2/1 グレートマジンガー ●剣鉄也/○暗黒大将軍 1/0 鋼鉄神ジーグ ●草薙剣児 3/2 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY ●コウ・ウラキ/○アナベル・ガトー/○サウス・バニング 4/2 機動戦士ガンダムZZ ●ジュドー・アーシタ/○エルピー・プル/○プルツー/●ラカン・ダカラン 1/1 機動戦士ガンダムF91 ○シーブック・アノー 2/0 機動戦士クロスボーン・ガンダム ●トビア・アロナクス/●カラス 1/1 機動武闘伝Gガンダム ○ドモン・カッシュ 2/1 新機動戦記ガンダムW ●張五飛/○トレーズ・クシュリナーダ 1/0 機動新世紀ガンダムX ●ジャミル・ニート 2/2 機動戦士ガンダムSEED ○ディアッカ・エルスマン/○ラウ・ル・クルーゼ 1/1 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY ○カナード・パルス 2/2 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ○シン・アスカ/○レイ・ザ・バレル 1/1 無敵鋼人ダイターン3 ○破嵐万丈 2/1 戦闘メカ ザブングル ●ジロン・アモス/○ティンプ・シャローン 1/0 聖戦士ダンバイン ●ショウ・ザマ 1/0 重戦機エルガイム ●アマンダラ・カマンダラ 1/1 ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU ○ツワブキ・ダイヤ 2/1 機動戦艦ナデシコ ●ヤマダ・ジロウ/○イネス・フレサンジュ 1/1 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- ○ホシノ・ルリ 2/2 ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 ○衝撃のアルベルト/○静かなる中条 1/0 超重神グラヴィオン ●紅エイジ 6/4 蒼穹のファフナー ○真壁一騎/●皆城総士/○遠見真矢○/●羽佐間翔子/○カノン・メンフィス/○春日井甲洋 1/0 超獣機神ダンクーガ ●藤原忍 2/2 創聖のアクエリオン ○アポロ/○シリウス・ド・アリシア 1/1 マシンロボ クロノスの大逆襲 ○ロム・ストール 1/0 勇者王ガオガイガーFINAL ●ルネ・カーディフ・獅子王 2/2 新世紀エヴァンゲリオン ○碇シンジ/○渚カヲル 4/2 宇宙の騎士テッカマンブレード ○Dボゥイ/●テッカマンレイピア/○テッカマンアックス/ ●テッカマンランス 1/0 フルメタル・パニック! ●テレサ・テスタロッサ 1/1 ガン×ソード ○ヴァン 70/43
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ジョーカージョーカー ◆JxdRxpQZ3o 自分が何をしたいのか。 動かす巨人は何処へ向かうのか。 今の彼女に、はっきりとした目的など無い。 只々、後悔と自責の念そしてこれからの不安に胸中は駆り立てられている。 ヴィレッタは闇雲にガルムレイドの歩みを進めていた。 タスク・シングウジは死んだ。 死者の名を告げる放送の中、タスクの名もその中にあった。 自分の預かり知らぬ場所で死んでしまった。それならばまだ納得は出来ただろう。 だがヴィレッタとタスクは直前まで共に戦っていたのだ。 もしかすれば救えたかもしれないその若い命は散ってしまった。 『あんたがさっさと口を割っていれば……こんなことにはならなかった!!』 シンの言葉が棘となって、未だヴィレッタの心に刺さっている。 『あいつが、あのタスクって奴が死ぬこともなかっただろうに!!』 彼が死んだのはやはり自分の迷いが原因か。 自身がジョーカーであることをタスクにはっきりと告げていれば。 シン・アスカにレイ・ザ・バレルを知っていることを気取られなければ。 自分もあの場に残り、タスクと共に戦っていれば。 こんな結果には至らなかったのだろうか。 ああしていれば、こうしていればなどと過ぎ去った事実を受け入れられずにいる。 そんな甘い考えばかりが延々とループする。 シン・アスカの発言もあの放送もこちらの不安を駆り立てる為の出鱈目であり タスクの死を告げる全てが自分を陥れるための演出ではないのか。 現に彼の乗機のビッグデュオは、自身とタスクが最後に会話を交わした場所で存在していなかったのだから。 甘い考えから脱却しようと別のことを考えれば、それ以下の醜い思考にまで至る。 正常な状態なら唾棄すべき思考だ。自分がここまで弱い人間などとはヴィレッタ自身、思いもしていなかった。 こんな今の自分を元の世界の仲間が見ればどう思うだろう。 意外に思うだろうか、失望するだろうか、軽蔑するだろうか。 それともこんな状態の自分でさえ、彼らは受け入れるのか。 かつて敵であった人物でも心通わせられる相手であれば彼らは仲間として迎え入れてきた。 あの部隊で行動していれば、そんな例は幾つでも見てくることが出来た。 そして自身もまた彼らに救われてきた。 スパイとして活動してきたヴィレッタを受け入れてくれた人物でいることはヴィレッタも忘れてはいない。 この場にいる知り合いの中で、少なくともギリアムは自身を受け入れてくれるはずだ。 一見、冷徹に見える外見であるが、仲間や他人を思い遣る心を持ち合わせている。 それがあるのは彼自身、過去になにかしらの苦い経験をしたからだろう。 (ギリアム……) だがだからこそ、そんな彼の優しさに今は甘えるわけにはいかない。 不安定な精神状態。自分の今取るべき行動も判然としない。 こんな状態で彼に受け入れられても足手纏いになってしまう。 最悪の場合、彼もまたタスクのように死んでしまうかもしれないのだ。 だから、今はまだ彼に会うことも心の中で頼りにすることすらも出来る筈が無い。 (今は――) それはもしかすれば永遠にではないのかという不安が過ぎる。 今は何を考えても不安に、自己嫌悪になるばかりだ。 頼もしく感じれるはずの仲間でさえ、不安の種になりえてしまう。 マイナス思考の泥沼に陥った彼女を助けてくれる者は周りには誰も居ない。 左手で前髪を力強く掴む。痛みは感じるがその程度で不安を紛らわすことなど出来ない。 思考を振り切るためにも操縦卓に手を伸ばす。 ガルムレイドは目の前の木々を薙ぎ倒し黙々と目の前を進む。 ◇ ◆ ◇ およそ数分前に移動を開始した春日井甲洋静止した。 放送の中に誰か知っている人間の名が呼ばれたような気がする。 呼ばれた死者の中に誰か大切な人がいたという不安感が 『皆城総士?』 確かに知っている。この名前は覚えている。 ファフナーに乗る自分たちを、後方で支援していた少年だ。 とにかく"呼ばれたような気がする"なんて不確かな関係ではない。 ではどこかで名前を聞いたことのある程度の相手だろうか。 それも違う。その程度の関係の相手であればこんなに言いようの無い不安がこみ上げることもないはずだ。 もしかして『 』なのだろうか。名前を読み上げられたはずなのに思い出せない。 先ほども確認した参加者名簿へとまた手を伸ばす。 最初に見たときとは違い、一つ一つの名前を最初から最後まで念入りに目を通す。 また目に留まったのは『羽佐間翔子』という名前。以前見たときもこの名前を見たときに甲洋は涙を流した。 確かに先ほどの放送でもこの名前は挙げられていた。羽佐間翔子が『 』なのか。 一騎、遠見、衛、咲良、剣司、総士、『羽佐間』。 一騎、遠見、衛、咲良、剣司、総士、『翔子』。 写真の人物の中に当てはめてみても、それが正しいのかどうかすらわからない。 ――顔も、どんな思い出があったのかも、どんなふうに思っていたのかも思い出せない。 『 』の記憶が全て抜け落ちている。 名前ですら状況証拠から推測できただけで思い出せたと言うわけではないのだ。 わかっているのは護らなければならない人だったというだけ。 もしも羽佐間翔子がその人だったのならば自分はまた護れなかったのだろうか。 「うあああぁぁあああああぁあああああアアア!!!」 羽佐間翔子を知る人物を探さなければならない。 今生きているはずの一騎、遠見なら知っている可能性も高い。 涙を流し、叫びを上げ、『 』を思い出せないまま、甲洋はバルゴラ・グローリーを動かした。 ◇ ◆ ◇ 森の中ほどにある木々が薙ぎ倒され結果できた開けた大地にヴィレッタは足を踏み入れた。 森林地帯にこんな形状の場所があっただろうかと疑問に思い位置を確認する。 D-3。ラカンがグレートマジンガーの試運転を行っていた場所だがそれをヴィレッタが知るはずも無い。 未だ森の中にいることを確認し、何がしかの結果このような状態になったと納得する。 そんな場所で一際目に付いたのは、切り株と切り株の間に設置された中型のコンテナだ。 「これは……?」 人工物など一切無かった森の中に存在するコンテナ。先ほど確認した地図上にもこんなものはなかった。 放送で言われていた支給機体だろうか。だが、あれはC-5の橋に置いてあると放送では言われていたはずだ。 それでは何者かが設置した罠か。その正体はわからないが、そのまま放置するのも危険だ。 強力な機体であった場合、殺し合いに乗るものに渡ればなどと考えれば当然である。 ヒオウを分離させ、中身が傷つかない程度に機関砲でコンテナ外部を攻撃する。 巻き上げられた粉塵から出てきたのは兵器とも生物とも取れる外見の小型の機体だ。 少なくともヴィレッタの知る技術で作られたものではないことはわかる。 ガルムレイドを身構えさせるが、正体不明の機体からは攻撃も通信も返ってはこない。 警戒しながら近づいていっても同じ。相手は何も反応しない。ではこれもまた支給機体なのだろうか。 放送では告げられない強力な機体か、それとも単純な伝達ミスによるものか。 機体は支障の無い程度の傷が付いた状態であり、乗り換える必要は無いものの興味からそのコクピットへと移る。 操縦方法はともかくとして、コクピットの内装は一目で今まで見たことの無いような技術による代物だとわかる。 ヴィレッタがシートに座ると同時、自動的に電源が付いた。罠か。反射的に体が反応する。 だがなんということはない。目の前のモニターにヴィレッタも知る男の顔が映った。 「アクセル!?」 この殺し合いを起こした組織の一員、そしてかつての敵であるアクセル・アルマーだ。 しかし、彼はヴィレッタを見て何か反応するわけでもない。あらかじめ録画しておいたものが自動的に流れたものらしい。 一体何の為に。その疑問をアクセルは語りだした。 『お前たちの仲良しごっこを見ているのはいい加減飽き飽きしてきた。 傍で行動を一緒にしている連中を見てみろ。表じゃ良い顔をしているかもしれん。 だがその心の中では何を考えているかはわからんぞ。それをお前が知るためにこのプラネッタを特別に支給してやる。 こいつのオーバースキルを使えば他人の心の声を聞くなんてのは朝飯前だ、これがな。 詳しくはマニュアルを見るといい。せいぜい有効に使うことだ。以上で通信を終わる』 淡々と説明をするアクセルの口ぶりには、これを見るものに対する憎悪や見下した感情が見て取れる。 おそらくこの機体は放送直前にこの周囲にいた対主催を考える集団に対して置かれたものなのだろう。 内容を聞くにその集団の中で相手を信用しているものに疑心暗鬼を起こすという目的で、だ。 そしてそれ以外の参加者の手には渡らぬよう放送では伏せたというところか。 だがそれが仇になりその集団には発見されず、もしくは無視された形で結局は他者の手に渡った。 しかも"仲良しごっこ"などとは縁遠い状況の今のヴィレッタにだ。なんとも皮肉な結果である。 「滑稽ね……。あなたも私も」 ヴィレッタは呟く。想定していた相手にこの機体を送り込むのならば、もう少しうまい手もあったろうに。 例えばその相手自身に直接通信を送るとか。しかし彼はそれをやらなかった。 憶測に過ぎないがアクセルのあの態度から見てこの機体を送りたかった集団にそれなりの嫌悪感があったことに間違いはあるまい。 それを崩す為に彼は感情的にこの機体を独断で送った。しかし、それを周りの人間に知られるわけにはいかなかったのだろう。 何らかの理由。例えば機体の支給にはある程度の予定や目論見があったのにも関わらず、それを無視してまでだ。 直接通信を行わなかったのも、その通信の履歴によって一連の行動が露呈するのを恐れたから。 だがそもそも機体を送り込んだのも彼らの転移技術によるものならば、そちらのほうが余程証拠として残りやすそうなものである。 情報は少なすぎ、結論付けるには穴が大きい。だがまず間違いなくシャドウミラー側に付け入る隙があることはわかる。 ヴィレッタは主催者側の考察を辞め、プラネッタについて考え始めた。 アクセルの喋った内容が確かならば、この機体は相手の心を読み取ることの出来るものらしい。なんとも趣味の悪い能力である。 相手の考えが読み取れるなら疑心暗鬼の種だけでなく、戦闘でも有利にことを進めることが出来る。 しかし今の彼女にとっては、この能力の恐ろしさはそれだけでは終わらない。 これが他者の手に渡り、自身がジョーカーであることやタスクが死んだことが発端で駆け巡る不安が露呈してしまうのが恐ろしいのだ。 なんとも保身的な発想である。が今のヴィレッタには、そこまで気が回らない。 自身で使用することも考えるが、この趣味の悪い能力に惹きつけられるものも感じない。 この機体の能力の真偽がどうあれ、この場で片付けておけば後々不利益になるようなことはないだろう。 一通りの考察を終え、ヴィレッタは一息吐く。 時間が経った所為か先ほどまでの不安も断ち切ったとまでは言えないが先ほどよりはマシになった。 だが、休息を取れる時間などは用意されてはいなかった。プラネッタのレーダーに移る機影。 向かってくる機体はかなりの速度を出している。プラネッタから降り、ガルムレイドに乗り換えている暇はなさそうだ。 しかし破壊する予定だった機体である。マニュアルなど読んではいないため、勘で動かすほかない。 だがプラネッタの外見から伺える異質さとは違い、操縦自体はそこまで苦戦するほどのものではなさそうだ。 やがて向かってくる機体は姿がわかる距離まで近づいてきた。 プラネッタとは違い、外見だけならその機体はヴィレッタの知る技術の中でもありえそうなものである。 「そこの機体!真壁一騎、遠見真矢、羽佐間翔子の誰かを知っているか!?」 相手からの通信が入る。この顔は覚えている。ジョーカーに選ばれた中の一人、春日井甲洋だ。 そして甲洋の話す内容に、またこの手合いかとヴィレッタは呆れた。 探し人のためにそれ以外の人間には攻撃的で簡単に牙を向く。 シン・アスカはそうだった。目の前の甲洋もそんな子供だ。 誰かのためと言いながら結局それは自己満足にしか過ぎない。 自身が求める探し人がそんな状態の自分を見てどう思うのか考えたことはあるのか。 とそんな悪態を内心で吐きながら、表面上は努めて冷静に受け答える。 「いいえ。知らないわね。」 ヴィレッタが質問に答えるとともに甲洋はブイ・ストレイターレットを発射させる。 だが不意打ちにも関わらずその攻撃はプラネッタには当たらない。 プラネッタは地面スレスレを飛行し、バルゴラの真下へ移動。そのままバルゴラ目掛け電磁鞭を振るった。 「があああっ!」 左脚部に巻きついた鞭からは電流が迸り、全身へと伝う。 しかし、その電気の衝撃を受けても決してガナリー・カーバーを手放そうとはしない。 バルゴラは左脚を蹴り上げようとする。 が、直前にプラネッタは鞭を自分から解き、今度はバルゴラの背後から鞭を何度も叩きつける。 『なんなんだよ……。俺の攻撃が読まれてるみたいじゃないか』 「それは少し違うな。お前の考えていることは全て聞こえている」 「えっ!?」『今、俺は何も喋ってなんかいなかったはずだ……』 「わからないのか?喋らなくても、お前考えはこちらに届いている」 甲洋が素っ頓狂な声をあげる。 やっと甲洋のほうでも気づいたようだ。ヴィレッタには自分の考えが読まれてしまっていることを。 最初の質問がどんな結果であろうとも相手を攻撃することも。 巻きついた鞭ごとプラネッタを持ち上げ、自身の攻撃範囲に入れようとしていたことも。 全てがヴィレッタには筒抜けだ。 「もう死んでしまった人間を探してどうするの? 誰だったかも、どんな顔だったかも、護りたい人だったのかも、わからないくせに」 今の彼が一番気にしており、触れてはいけない繊細な部分に容赦なくヴィレッタは攻撃する。 誰が同情などしてやるものか。 甲洋の心のどこかがブチッと音を立てて切れた。それもヴィレッタには手に取るようにわかる。 ガナリー・カーバーを近接戦使用に変形させ、甲洋はそれをプラネッタ目掛け振り回す。 「フェストゥムみたいな真似をして!お前に何がわかる!?」 「わかりたくもないわね。そんなもの」 怒りに駆られた攻撃はほぼ無心だ。しかしだからこそ攻撃の仕方は単純になりがちで読みやすい。 プラネッタのオーバースキルもこうなれば、さほど必要は無くなる。 右から左から繰り出される攻撃も、単純なプラネッタの機動性により避ける。 それでいて、バルゴラには全身に隙が生じている。その隙を突き、三度電磁鞭を見舞う。 今度は内部機器の機能に障害が出たのか空が飛べず、墜落する。 「存外にあっけないものね」 ヴィレッタの視線の先には落ちたバルゴラ。 もう甲洋の声は聞こえてこない。死んだか、意識を失ったのか。 確実に止めを刺す。プラネッタの背に紫がかった光円が姿を現す。 ――どうにもなら無い憤りを子供にぶつける今の姿を見たらかつての仲間――ギリアム――はどう思うか。 不意にそんな台詞が自身の脳裏に過ぎる。プラネッタの能力ではない。周囲には機影など見当たらないのだから。 ヴィレッタが先ほど自問自答していた不安の内容がまた浮かび上がったに過ぎない。 相手に止めをさそうとするこの瞬間にだ。当然動きに躊躇いが生まれる。 『……今だ』 「つっ!?しまった……」 別のことに気を取られ過ぎていたせいか、甲洋の動きも心も聞こえずに居た。 ガナリー・カーバーが変形しハイ・ストレイターレットとなり火を噴く。 広域破壊兵器並みの威力を持つそれはプラネッタをその背後の森林ごと吹き飛ばした。 ◇ ◆ ◇ 「倒せたのか……」 ハイ・ストレイターレットを放ったのは朦朧とする意識の中で咄嗟にとった行動だった。未だに倒せたという感慨が沸かない。 相手もこちらの心を読んでいたが、倒す寸前に油断したのだろうか。 殺したという確証は無い。があれ程やられておきながら奇跡的に追いやることは出来た。 『もう死んでしまった人間を探してどうするの? 誰だったかも、どんな顔だったかも、護りたい人だったのかも、わからないくせに』 あの女の言っていたことを反芻するように思い出す。 確かになにか解ったとしても自分にはどうすることも出来ないのかもしれない。 だが、あやふやな現在の自我をその手に取り戻す為にも必要なことだと信じて今は動くほか無い。 どこの馬の骨とも知れない他人の戯言など振り切って、前に進むしかないと自分に言い聞かせる。 「そうするしかないのならやってやる……んっ?」 バルゴラを動かそうとするもうんともすんとも言わない。 電磁鞭の電流によって、飛行もままならない状態になったかと思えば、遂に全身が機能を停止してしまったようだ。 目の前のコンソールを 仕方なくコクピットハッチを手動で明け、地上へと降り辺りを見回す。 戦闘中は気づかなかったが別の機体が鎮座している。出来すぎているようにも感じたが背に腹は変えられない。 使えればいいがとその橙色の機体へと向かおうとするが、甲洋は違和感に気づき足を止める。 ガナリー・カーバーに埋め込まれた宝玉のようなものが光を放ち点滅を繰り返しているのだ。 まるで自分はまだ生きている。自分だけは連れて行けと甲洋に伝えるかのように。 「心配するなよ。使えるものは最後まで使うさ」 【一日目 15 00】 【春日井甲洋 搭乗機体:ガルムレイド・ブレイズ(バンプレストオリジナル) パイロット状況:同化により記憶及び思考能力低下&スフィアと同調することで思考能力の回復 機体状況:機体状況:EN30% 右腕損失。胸部、左腕損傷。ガナリー・カーバー装備 現在位置:D-3 第一行動方針:翔子が守りたかった相手かを確かめる 第二行動方針:一騎と真矢から翔子のことを聞き出す 最終行動目標:守るんだ………………誰を? ※フェストゥムに同化された直後から参戦です。 ※具体的にどのくらい思考能力や記憶を取り戻しているか、どの程度安定しているかはその場に合わせて一任します。 好きなように書いてもらって構いません。 ◇ ◆ ◇ 気付けば、どちらが上で、どちらが下かもわからない状態になっていた。 プラネッタを起き上がらせ、飛行や動作に問題が無いか確認する。 あの巨大なビームの砲撃もどうにか展開していたフォトンマットを防御に使うことで致命傷は避けられた。 流石に全身はボロボロになっているが、動かす分には問題が無い。 「無様なものね……」 間違ってはいなかったはずだ。 春日井甲洋はジョーカーであり、精神的にも不安定な状況であることは確かだ。 この状況下でそれを考慮し、優しくすることなどは出来ない。 こちらに対して攻撃の意思があるのなら容赦する必要など無いはずだ。 そこまで考えて、ふとそんな状態に陥っている人間をもう一人知っていることを思い出す。 紛れも無い自分自身だ。 思わず嗚咽を漏らしてしまう。こんな姿はリュウセイ達には見せられない。 ギリアムやユウキから見れば、自分も躊躇する必要が無い相手なのだろうか。 そうではないとただただ信じたかった。 泥沼は、もがけばもがくほど抜け出せない。 【一日目 15 00】 【ヴィレッタ・バディム 搭乗機体:プラネッタ(OVERMAN キングゲイナー) パイロット状況:強い後悔と自己不信。DFCスーツ着用、ちょっと恥ずかしい 機体状況:EN60% 全身に損傷 現在位置:D-3 第一行動方針:自己不信や不安、後悔を整理したい。 第二行動方針:この精神状態でギリアムやユウキに会うのを自制する。 第三行動方針:出来る限り戦闘は避け、情報を集める。戦いが不可避であれば容赦はしない。 第四行動方針:ノルマのために誰かを殺害することも考えておく。 第五行動方針:そう、誰かを……? 最終行動目標:生き残って元の世界へ帰還する】